2016(平成28)年 日曜ワンダルマ坐禅会 山下良道(スダンマチャーラ比丘)
仏道は必ず行に依りて証入すべき事
右、俗に曰く、学べば乃ち禄その中に在りと。仏の言わく、 行ずれば乃ち証その中に在りと。未だ嘗て学ばずして禄を得る者、行ぜずして証を得る者を聞くことを得ず。縦い行に信法頓漸の異ありとも、必ず行を待って超証す。縦い学に浅深利鈍の科ありとも、必ず学を積んで禄に預る。これ乃ち独り王者の優と不優と天運の応と不応とに由るべきにあらざるか。もし学にあらずして禄を受くれば、誰か先王理乱の道を伝えん。もし行にあらずして証を得れば、誰か如来迷悟の法を了らめん。識るべし行を迷中に立て証を覚前に獲ることを。時に始めて船筏の昨夢を知って、永く藤蛇の旧見を断ず。これ仏の強為にあらず、機の周旋せしむる所なり。況んや行の招く所は証なり、自家の宝蔵外従り来らず。証の使う所は行なり、心地の蹤跡あに廻転すべけんや。然れどももし証眼を廻らして行地を顧みれば、一翳の眼に当るなく、将に見んとすれば白雲万里。もし行足を挙して証階に擬すれば、一塵の足に受くるなく、将に踏まんとすれば天地懸隔。ここにおいて退歩せば仏地をぼっ跳せん。
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